【TESEN文庫 第9話】梅雨の中休み

JOURNAL|TESEN

大阪シェアハウスの運営スタッフSHUです。

 

シェアハウスで働く私が気ままに連載小説を書いております。

 

「シェアハウスってどんなところ?」「どんな暮らしがあるの?」

 

この小説はそんな方へ向けて書いています。

 

ときどき実話なフィクションです。

 

一緒にシェアハウスの暮らしをのぞいてみませんか?

 

シェアハウスで起こる素敵なことが少しでも多くの人に届いたら、そして豊かな暮らしを多くの人に。

 

|前回までのお話


「こんなところで何してるん?」

 

『雨の音聞いててん。』と彼は言う。

 

なんやその詩人みたいな答えは。と思う。

 

「どんな音が聞こえるん?」

 

『分かる人にしか分からん音や。』と彼は答える。

 

私にはその音が分からん人みたいに言うやんか。

 

「私も雨の音好きやねんで。」

 

『そうなん。どの音が好きなん?』

 

そんな具体的に聞かれたら分からん。知らん。

 

「屋根からゆっくり地面に落ちる音は好きかも。」と絞り出し。

 

『俺もその音好きやねん。』と答える。

 

まさかの正解。

 

「雨の音聞いてて何してたん?」と聞く。

 

『雨の音を絵に起こすねん。』

 

なんか言うてる。。。分からん。

 

そういえば、よくスケッチブック持ち歩いていたっけ。

 

「目に見えへん音を絵にするなんてすごいなぁ。」

 

『見える人には見えるねん。』

 

私には見えへん人みたいに言うやんか。

 

いつも冷たい返答。

 

でも、裏表のない感じ。

 

自分の感情に素直な人なんやろうなぁ。

TESEN文庫第9話

雨が上がった。

 

夕日が差し込む。

 

『雨あがってもうたやん。』と彼が言う。

 

私のせいみたいに言うやん。

 

「でも夕日綺麗やん。」

 

『みんなが綺麗言うもんはあかんねん。』

 

彼がその場から立ち上がる。

 

全く素直な人じゃなかった。

 

へそが曲がって頭にささっとる。

 

彼が部屋に戻っていく。

 

気がついたら目で追ってしまう。

 

私の感情も梅雨の中休みみたいで不安定。

 

続く。

 

 

|前回までのお話、これからのお話

今年の梅雨入りは早かったけど、かれこれ2週間ぐらいは夏を感じさせる天気ですね。来週からは本格的に雨予報。今年は2回梅雨入りを体験できる!やった!みたいなポジティブさを欲しいですね。

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