大阪シェアハウスの運営スタッフSHUです。
シェアハウスで働く私が気ままに連載小説を書いております。
「シェアハウスってどんなところ?」「どんな暮らしがあるの?」
この小説はそんな方へ向けて書いています。
ときどき実話なフィクションです。
一緒にシェアハウスの暮らしをのぞいてみませんか?
シェアハウスで起こる素敵なことが少しでも多くの人に届いたら、そして豊かな暮らしを多くの人に。
|前回までのお話
- 【TESEN文庫 第1話-2021/01/12】
私シェアハウスするみたい。 - 【TESEN文庫 第2話-2021/01/27】
空と宙の違い。 - 【TESEN文庫 第3話-2021/02/22】
選ぶということ。 - 【TESEN文庫 第4話-2021/03/10】
3年目の彼とクールとクレイジーの履き違え。 - 【TESEN文庫 第5話-2021/03/23】
私の家の庭の草は伸びが早い。 - 【TESEN文庫 第6話-2021/04/11】
月の満ち欠け。 - 【TESEN文庫 第7話-2021/05/03】
小さな灯りの不思議。 - 【TESEN文庫 第8話-2021/06/21】
つゆはじまり。 - 【TESEN文庫 第9話-2021/07/08】
梅雨の中休み。
「こんなところで何してるん?」
『雨の音聞いててん。』と彼は言う。
なんやその詩人みたいな答えは。と思う。
「どんな音が聞こえるん?」
『分かる人にしか分からん音や。』と彼は答える。
私にはその音が分からん人みたいに言うやんか。
「私も雨の音好きやねんで。」
『そうなん。どの音が好きなん?』
そんな具体的に聞かれたら分からん。知らん。
「屋根からゆっくり地面に落ちる音は好きかも。」と絞り出し。
『俺もその音好きやねん。』と答える。
まさかの正解。
「雨の音聞いてて何してたん?」と聞く。
『雨の音を絵に起こすねん。』
なんか言うてる。。。分からん。
そういえば、よくスケッチブック持ち歩いていたっけ。
「目に見えへん音を絵にするなんてすごいなぁ。」
『見える人には見えるねん。』
私には見えへん人みたいに言うやんか。
いつも冷たい返答。
でも、裏表のない感じ。
自分の感情に素直な人なんやろうなぁ。
雨が上がった。
夕日が差し込む。
『雨あがってもうたやん。』と彼が言う。
私のせいみたいに言うやん。
「でも夕日綺麗やん。」
『みんなが綺麗言うもんはあかんねん。』
彼がその場から立ち上がる。
全く素直な人じゃなかった。
へそが曲がって頭にささっとる。
彼が部屋に戻っていく。
気がついたら目で追ってしまう。
私の感情も梅雨の中休みみたいで不安定。
続く。
|前回までのお話、これからのお話
- 【TESEN文庫 第1話-2021/01/12】
私シェアハウスするみたい。 - 【TESEN文庫 第2話-2021/01/27】
空と宙の違い。 - 【TESEN文庫 第3話-2021/02/22】
選ぶということ。 - 【TESEN文庫 第4話-2021/03/10】
3年目の彼とクールとクレイジーの履き違え。 - 【TESEN文庫 第5話-2021/03/23】
私の家の庭の草は伸びが早い。 - 【TESEN文庫 第6話-2021/04/11】
月の満ち欠け。 - 【TESEN文庫 第7話-2021/05/03】
小さな灯りの不思議。 - 【TESEN文庫 第8話-2021/06/21】
つゆはじまり。 - 【TESEN文庫 第9話-2021/07/08】
梅雨の中休み。
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