大阪シェアハウスの運営スタッフSHUです。
シェアハウスで働く私が気ままに連載小説を書いております。
「シェアハウスってどんなところ?」「どんな暮らしがあるの?」
この小説はそんな方へ向けて書いています。
ときどき実話なフィクションです。
一緒にシェアハウスの暮らしをのぞいてみませんか?
シェアハウスで起こる素敵なことが少しでも多くの人に届いたら、そして豊かな暮らしを多くの人に。
|前回までのお話
- 【TESEN文庫 第1話-2021/01/12】
私シェアハウスするみたい。 - 【TESEN文庫 第2話-2021/01/27】
空と宙の違い。 - 【TESEN文庫 第3話-2021/02/22】
選ぶということ。 - 【TESEN文庫 第4話-2021/03/10】
3年目の彼とクールとクレイジーの履き違え。 - 【TESEN文庫 第5話-2021/03/23】
私の家の庭の草は伸びが早い。 - 【TESEN文庫 第6話-2021/04/11】
月の満ち欠け。 - 【TESEN文庫 第7話-2021/05/03】
小さな灯りの不思議。 - 【TESEN文庫 第8話-2021/06/21】
つゆはじまり。 - 【TESEN文庫 第9話-2021/07/08】
梅雨の中休み。
仕事からの帰り道。
どこからか鈴虫が鳴いている。
日本の風情も捨てたもんじゃないと思っていたら機械音でした。
だんだんと日が長くなり、夕陽のスポットライトを浴びながら帰る。
気付いたら今年も3分の1が終わっている。
歳を重ねていくうちに1年があっという間。
今年の春はコロナでどこも行けなかった。
それが良かった。
家で過ごす時間が増えたから。
あの人も家でゆっくりしている。
柄にもなく手作りキャンドルを作っている。
何に使うんだろう。
シェアハウスに住んでいると発想と生き方の刺激をもらえる。
こういう生き方もあるんだ。
今までの私の小さな固定概念をゆっくり崩してくれる。
ありのままの自分で良いんだと背中を押してくれる。
学校では習わないライフスタイルを教えてくれる。
リビングに降りると電気が消されていた。
誰もいない静寂。
テーブルの中央で小さな灯りだけが揺れている。
思わず小さな灯りを見つめていると。
背後に気配が。
振り向くといつもの彼が立っている。
彼は「キャンドルの小さい灯りには、ものすごく不思議な力を秘めている。」
と切り出した思ったら、他のシェアメイトも彼の背後から出てきた。
何故かみんなカラフルなパーティハットを被っている。
気づいてしまった。
私の誕生日。
クラッカーが一斉に鳴る。
誰かに祝われる。
ご無沙汰すぎる出来事に感情が溢れ出す。
嬉しさに浸る。
心からの「ありがとう」を伝ようと顔を上げると。
シェアメイトはケーキどう切るかで盛り上がっている。
既にケーキを食べる事に目的がシフトされている。
切り替えの早さに笑ってしまう。
そんな素直で感情にまっすぐなシェアメイト達が大好きだ。
|前回までのお話、これからのお話
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- 【TESEN文庫 第1話-2021/01/12】
私シェアハウスするみたい。 - 【TESEN文庫 第2話-2021/01/27】
空と宙の違い。 - 【TESEN文庫 第3話-2021/02/22】
選ぶということ。 - 【TESEN文庫 第4話-2021/03/10】
3年目の彼とクールとクレイジーの履き違え。 - 【TESEN文庫 第5話-2021/03/23】
私の家の庭の草は伸びが早い。 - 【TESEN文庫 第6話-2021/04/11】
月の満ち欠け。 - 【TESEN文庫 第7話-2021/05/03】
小さな灯りの不思議。 - 【TESEN文庫 第8話-2021/06/21】
つゆはじまり。 - 【TESEN文庫 第9話-2021/07/08】
梅雨の中休み。
- 【TESEN文庫 第1話-2021/01/12】
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